中小企業が日本政策金融公庫を利用する場合、複数の融資プランから選択することができます。資金繰り対策の方法としては、第一に挙げられる選択肢となるでしょう。ここでは、中小企業向けの支援プランを各種取り揃えている日本政策金融公庫について説明していきます。
中小企業を支援する日本政策金融公庫
日本政策金融公庫の支援プランのなかで中小企業が利用できるものとしては、「中小企業事業」に属する長期事業資金プランが筆頭に来るでしょう。平均すると1億円程度の融資額になり、短期的な融資ではなくあくまでも長期的視野に立った融資を提供しています。
日本政策金融公庫は、個人事業主なども利用できる国民生活事業という分野も持っていますが、こちらは中小企業事業に比べると融資額も低く、長期的な資金確保を考えている中小企業にとっては不十分かもしれません。一定以上の事業規模を満たす場合は、積極的に中小企業事業のプラン利用を検討してみましょう。
中小企業事業プランへの一般的な申し込み手順
日本政策金融公庫の中小企業事業プランに申し込むためには、基本的に以下の手順で手続きを進めます。
1.日本政策金融公庫への相談
日本政策金融公庫に対して中小企業事業に関する問い合わせを行います。直接店舗に出向く場合を含め、問い合わせや相談の際には、決算書や事業計画書など参考になる資料を持参するといいでしょう。
2.中小企業事業プランへの申込み
支援プランにより提出すべき書類は変わりますが、基本的な書類として以下の準備をしておくことをおすすめします。
- 会社案内やホームページの印刷
- 登記事項証明書
- 直近3期分の決算書
- 納税証明書
- 直近の試算表
- 設備投資の場合はその概要・運転資金の場合は事業の見通しがわかるもの
3.申し込み後の審査~融資実行
審査は、指定された提出書類だけではなく、担当者が会社に出向きヒアリングを行う作業が含まれることもあります。特に大きな問題がないと判断されると、いよいよ融資が決まり、契約書を交わしたうえで支援金が振り込みされることになります。
4.据え置き期間後の返済開始
一般的に、貸し付けられた金銭は一定の据え置き期間を経て返済開始となります。
「企業活力強化資金」の活用で会社の基盤強化を目指す
規模の大小を問わず、事業を行っている以上、設備投資や運転資金に余裕があった方が望ましいといえます。しかし、特に中小企業の場合は日々の事業をこなすことに精いっぱいで、設備資金や運転資金に十分な余裕を持っているとは言い切れません。そこでぜひ活用を検討してみたいのが、日本政策金融公庫の企業活力強化資金なのです。
企業活力強化資金とは
商業および製造業に携わる小中企業に対しては、以下のような問題解決を目的とした企業活力強化資金という支援プランが用意されています。
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より高い集客力を持つ商業施設に出店し売り上げを増加させたい
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効率化と利益率のアップを目指して設備投資を行いたい
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さらなる顧客開拓のための資金が不足している
このような企業の課題をサポートするために企業活力強化資金が用意されており、その支援対象として次の事業者が該当します。
- 商業
卸売業、小売業、サービス業、飲食業など
- 製造業
特定ものづくり基盤技術を備えていることが前提条件になり、当該技術をもって新製品の開発や新技術の獲得、あるいは販路開拓を行っているもの
- 下請中小企業振興法に該当する事業者
特定の発注者と長期にわたる下請契約に依存している事業者を特定下請事業者とよび、契約先事業者だけに留まらない取引先開拓や拡大などについて努力しているものが対象となる
まとめ
中小企業としてより力をつけたい場合は、ぜひ積極的に企業活力強化資金の活用も検討してみるといいでしょう。当事務所でも、会社設立とともに日本政策金融公庫からの融資を得られるようしっかりとサポートしていきますので、貴社にはどのような融資が必要なのか・日本政策金融公庫のどの支援プランを利用すべきかなどについても助言させていただきます。会社設立にかかわるサポートについて、札幌市ではトップクラスのご依頼をいただいていますので、ぜひお気軽にご連絡ください。