日本政策金融公庫から融資を受けたものの、事業がうまくいかず返済滞納を起こしてしまうケースが散見されます。ここでは、もし返済滞納した場合、どのような状況が起こりどう対処すればいいのか説明していきます。
返済滞納した場合に起こり得ることとは
日本政策金融公庫から借入れを行ったものの、約束通り返済せず滞納を起こしてしまった場合、次に挙げるような状況の発生が考えられます。いずれのケースに関しても、借入先である日本政策金融公庫には真摯な態度で適切に対応することが大切です。
滞納すると延滞利息がつく
返済滞納によって延滞利息として遅延損害金が課されることになります。融資に関する契約書面に延滞利息の利率が記載されていますので、必ず確認しましょう。日本政策金融公庫では、借入れに伴う金利は低い一方、延滞利息については高く設定されているので注意が必要です。
返済が遅れると電話による督促がくる
借入れおよび返済については、契約書で双方が合意した通りに履行されなければなりません。取り決められた返済が滞れば電話による督促がきますし、その際に具体的な返済日を知らせる必要があります。金銭の貸し借りは双方の信用に基づいて行われますので、信用を損なわないよう確実に返済できる日を明確にすることが大切です。
返済遅延が続くと法的措置にいたることがある
何度も督促を受けながら返済に応じないでいると、最終的には法的措置をとられることがあります。悪いのは契約通りに返済しなかった方ですから、会社や保証人の資産をもって弁済することを求められる可能性もあります。結果として会社そのものを失うことになりかねませんので、やはり誠実に対応することが求められます。
返済が難しくなった場合の対処法
返したい気持ちは十分であるものの、現実問題として返済に回せるだけの金銭がないという状況も考えられます。そのようなときは、以下に挙げるような策をもって乗り切ることを考えてみましょう。
日本政策金融公庫に直接相談する
最も避けたいのは、返済が滞った事実が残ることです。そのような事態が起これば信用を失いかねません。このため、返済が難しくなったら、延滞を起こす前のタイミングで日本政策金融公庫に直接相談してみることをおすすめします。公庫としても突然の延滞や貸し倒れは回避したいですから、思っているよりも親身になって返済方法の見直しに応じてくれるでしょう。分割返済の見直しや期限の延長など、何らかの提案がなされることも考えられます。
ビジネスローンを借りる
新たな借入れを増やすことに繋がる対策のため、返済の目途を立ててから利用したい方法です。一時的に返済が難しい場合のみ、他社からビジネスローンを借りて日本政策金融公庫の返済に充てることも瀬戸際での一策かもしれません。苦境を乗り切ったら、ビジネスローンは必ず全額返済し借り入れる前の状態に戻しましょう。あくまでも「延滞を避けたいとき」かつ「返済できることが確実」な場合に限って利用することが大切です。
任意整理・民事再生・破産を検討する
どう検討しても、この先返済できる目途が付かなくなってしまったら、任意整理・民事再生・破産といった債務整理を行わなくてはならないかもしれません。これら債務整理は日本政策金融公庫からの信用を失う手段ですし、場合によってはせっかく立ち上げた会社を失うことに繋がる可能性もありますが、どうしても返せるあてがない場合、最終的手段を取らなければならないこともあると理解しておきましょう。
まとめ
日本政策金融公庫から借りた金銭の返済が難しいと感じたら、いかに早く対策をとるかが非常に重要です。行動が早いほど最悪の事態を避けることができますし、とれる選択肢の数も維持できるはずです。逆に行動が遅くなりどうにもならない状態になってからでは、最悪の手段しか残されていないという状況になりかねません。日本政策金融公庫への返済滞納の可能性が見えた段階で、すぐに公庫に相談し解決策を探ることが非常に重要です。