国や地方自治体などが主にその経済活動発展を目的として、政策の一環として実施する返済不要の資金提供制度を補助金といいます。ここでは、補助金のメリットとデメリットについて説明していきます。
補助金のメリット
補助金は返済不要というだけでも十分大きなメリットになりますが、他にも以下のような利点があります。
返済不要の資金となる
一般的な金融機関から借り入れた金銭は返済の必要がありますが、補助金は基本的に返済不要です。
金利がかからない
一般的な金融機関から融資を受けた場合、数%かそれ以上の金利がかかります。しかし、補助金は返済不要の金銭であるため、金利を払う必要がありません。
設備投資の効果を得るまでのリスクが軽減される
設備投資は、事業をより効率的に進め効果的に利益を得ていくために欠かせないものです。しかし、設備投資を行ってもすぐに結果が得られるわけではないため、ある程度のタイムラグは心しておかなければなりません。事業者にしてみれば、設備投資はその評価を確定させるまでに時間が必要であり、簡単には良し悪しを判断できないことから、投資することのリスクに繋がりやすいといえます。しかしこの点において、補助金であれば返済不要であることから、資金的なリスクを軽減することになるでしょう。
人事労務関連書類が社内の体制を見直すきっかけになる
多くの場合、補助金の申請書類として、会社の就業規則や雇用契約書、給与を確認できる帳簿類の提出が求められます。補助金の審査に通るためには、これらの約束事やルールがしっかりと社内で守られている必要があるため、社内体制を見直すきっかけになるでしょう。
会社としての信頼性が上がる
補助金はその種類によって審査合格率もさまざまに変わりますが、国や自治体という公的な機関の審査をパスした事実は会社の評価にも繋がることだといっていいでしょう。
補助金のデメリット
補助金にはメリットがある一方、デメリットも存在しますのであらかじめ理解しておきましょう。
コストをかけて要件を満たすこともある
補助金の要件はときに厳しく、一定以上の設備や制度が揃っていることを求める場合もあります。このため、補助金を受けるためにコストをかけて環境整備する必要が出てくることも考えられます。補助金を受けるためにコストをかけることに違和感を覚える人もいるかもしれませんが、補助金の金額や社会的評価を考えるとメリットに転じる可能性があることも覚えておきましょう。
補助金受給までに時間がかかる
補助金の募集は通年ではなく、一年のうち応募できる期間が限られています。何とかタイミングを合わせて申請したとしてもすぐに補助金が振り込まれるわけではなく、ある程度の時間を要する点にも注意しましょう。審査ひとつとっても、事前と事後の2回に分けて行われることが多く、またさまざまな提出書類が丁寧に確認されることから、急を要するときに補助金を利用すると事業者として焦りが出てくる可能性もあります。余裕のあるスケジュールを組み、お金が必要になる時期に合わせて申請を進めていくことが大切です。
補助金は基本的に後払いである
補助金は、申請後すぐに入金されるものではなく、審査にある程度の時間を要した後で可否が決定され、ようやく入金にいたります。事業内容や設備投資など補助金の目的とする事柄を成すためにお金が給付されるのではなく、事業を進めるうえで事業者が使った経費などを後から補助金として補填する形をとっているためです。
まとめ
補助金は国や自治体による事業者支援制度のひとつであり、非常に助かるものではありますが、メリットばかりではなく上に挙げたようなデメリットがあることも事実です。どうしても「今」資金が必要なのであれば、補助金ではなく融資など別の方法を検討する方がいいこともあるでしょう。
もし、貴社の事業内容や必要な資金など補助金に関することについてお悩みであれば、抱え込むことなくぜひ当事務所までご相談ください。当事務所は、会社設立に関する業務依頼件数において札幌でトップクラスであり、数多くのケースに対応してきた経験があります。ご相談により解決の糸口が見えることも多々ありますので、お問い合わせをお待ちしております。