起業時は何かと物入りだったり販路拡大のための費用がかかったりするなど、とにかく資金がいくらあっても十分すぎることはないでしょう。そこでぜひ利用を検討したいのが、国による補助金制度です。ここでは、よく知られている4種類の補助金と利用の際の注意ポイントについて説明していきます。
代表的な4つの補助金とは
補助金は主に経済産業省が提供するもので、起業する人を支えたり地域経済の活性化などをバックアップしたりしています。特に有名な補助金として、ここでは4種類挙げていきましょう。
ものづくり補助金
ものづくり補助金とは、その名の通り、小規模事業者や中小企業が新製品や新サービスの開発を行い世に広めるチャレンジを、資金面から支えるものになります。従来の枠組みに捉われない、ある意味革新的ともいえる商品・サービスの開発を積極的に支援する点が特徴的です。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、補助金上限額が1億円かつ全体的な予算枠が1兆円もあることから、広く利用されることを想定した補助金だといえます。金融機関や税理士などから事業計画書作成指導を受けることもできるので、事業者としては迷うことなく、逆に事業計画書の作り方を学ぶところから恩恵を受けられます。ものづくり補助金と同様、新しい分野へのチャレンジを積極的に支援する補助金だといえます。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は最大100万円までの支援を行うもので、事業計画書に沿って行われる販路開拓にフォーカスしています。商工会議所から事業計画書作成の指導や販路拡大に関する助言を受けることもできるため、起業する事業主には大変ありがたい内容になっています。
IT導入補助金
IT導入補助金は、デジタルツールを導入し事業の生産性を上げることを目的とした補助金です。デジタル化によって業務環境が改善されたり業績アップに繋がったりすれば、起業後の利益確保や賃金上昇にも貢献が期待されます。
補助金申請における注意ポイント
メリットの大きい補助金制度ですが、申請時のルールが厳しかったり多くの事業者が申請したりするため、必ずしもスムーズに補助金を得られるとは限りません。ここでは注意しておくべきポイントを整理しましたので、ぜひ参考にしてください。
補助金によっては競争率が高くなる
補助金は返済不要の資金ですから、おのずと競争率が高くなる傾向にあります。条件が良く間口も広い案件の場合は特に応募が殺到しやすいため、採択率に影響する可能性も考えられます。
申請書類の準備に手間と労力を要する
補助金申請においては多くの書類を提出する必要があるため、事業者は不備なく必要書類を揃えなければなりません。しかし、どの書類も簡単に用意できるものではなく、事業計画書などは十分に練り上げる必要がありますし、帳簿類は事実と相違がないよう最新の注意を払わなければなりません。想像以上に手間がかかりますので、あらかじめ心しておきましょう。
相応の自己資金が不可欠
起業しようとする事業主であれば、補助金の有無にかかわらず自己資金はある程度持っているべきでしょう。補助金は自己資金を補う性格のものであり、実際の給付タイミングも対象事業が終了した後になることから、自己資金である程度事業をまわすことが求められるのです。
まとめ
繰り返しになりますが、補助金は返済不要のお金になりますので、起業しようとする事業主にとっては大変ありがたい制度だといえます。しかし、簡単に給付を受けられるわけではありません。ライバルに負けない内容の書類を準備する必要がありますし、どうすれば審査担当者の目に留まるか戦略的目線から申請に臨むことが大切なのです。当事務所では会社設立に関する業務の依頼を数多く承っていますが、その一環として補助金申請にまつわるご相談や助言も行っていますので、不安や疑問をお持ちの方はぜひお気軽にお問い合わせください。