会社を設立するときは、業務を行うための環境整備や軌道に乗せるまでの運転資金など、ある程度まとまった資金が必要になります。そのようなときの資金調達方法として、融資以外にも補助金を申請するという選択肢もあるのです。ここでは、会社設立時でも利用できる補助金について説明していきます。
会社設立時にも利用できる4つの補助金とは
補助金にも種類がありますが、会社設立時でも申請することができるものとして以下の4つがよく知られています。
- 創業支援等事業者補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- キャリアアップ助成金
- 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)
創業支援等事業者補助金
起業家にとって大変心強い制度として知られているのが、創業支援等事業者補助金です。雇用創出や地域経済の活性化を目的として設けられたもので、国あるいは自治体から、創業にかかわる諸費用の一部として資金補助が行われます。事業所のある自治体で申し込むことになります。
- これから創業しようとする人を対象とする
- 対象となる経費のうち3分の2以内の金額を補助する
- 50万円~1,000万円の間で必要な額を補助する
小規模事業者持続化補助金
事業規模が小さいほど、自ら販路を開拓してビジネスチャンスを拡大していく必要があります。販路開拓にも経費がかかりますが、そのうち3分の2(上限50万円)までの金銭を国から補助してもらえる小規模事業者持続化補助金という制度を利用してみましょう。
- 卸売・小売・サービスなど各種業者を対象とする
- 小規模事業者である(従業員数5名以下)
- 対象となる経費のうち3分の2以内の金額を補助する
- 50万円以内を補助
キャリアアップ助成金
自社の非正規雇用従業員をキャリアアップさせるときに利用できるのが、キャリアアップ助成金です。この助成金には利用に際しいくつかのケースが用意されており、うち正社員化を目指すものとしては以下の条件を満たす必要があります。
- 6カ月以上雇用している契約社員・アルバイト・パートを正社員登用したのち、正社員として6カ月以上雇用した場合
- 該当する社員1名につき上限72万円を支給
地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)
会社設立後は、事業を軌道に乗せるために新商品を開発したり設備投資を行ったりする必要が出てきます。これら必要とされる経費について、スタート・アップ応援型の地域中小企業応援ファンドを利用することができます。北海道においては年度ごとに募集がかけられ、以下の条件に該当する場合に申し込むことができます。
- 道内に事務所をかまえ事業展開する会社・地域資源を利用した新商品や新サービスの開発を行う会社・事業展開のための各種リサーチを行う会社
- 創業促進支援事業:100万円以内
- 地域資源活用型事業化実現事業:150万円以内
- 製品開発 チャレンジ支援事業:50万円以内
上記は代表的な補助金として知られるものですが、年度により、あるいは国や自治体の方針などにより、補助金の募集が随時行われることもあります。情報収集をよく行い、利用できそうな補助金がないかチェックを怠らないようにしましょう。
補助金申請における注意点
一方で、補助金の利用には注意点があることも理解しておきましょう。仮に条件を満たし申し込んだとしても、必ず採択されるとは限らないからです。この点につき、以下のことをあらかじめ心得ておくことが大切です。
返済不要でメリットの大きな補助金には応募が殺到する
原則として補助金は返済不要の制度ですから、利用したいと考える会社が数多く存在すると考えられます。特に、補助金が高額だったり募集要件が緩和されていたりすると、想定より大幅な申請増となるかもしれません。当然ながら採択の倍率が上がるので、補助金を利用できる可能性がその分低くなることも考えられます。
手間と労力をかけて書類を準備する必要がある
補助金申請が採択されるためには、必要書類を不備なく提出することはもちろん、その内容が十分な説得力を持っている必要があります。先に述べたように、倍率が高くなっている場合は特に書類作成には力を入れることが大切です。なぜ自分の会社に補助金が必要なのか、事業の価値が高い理由は何か、創業から現在にかけての財務状況はどうかなど、手を抜くことなく作り込みましょう。
まとめ
会社設立にあたり補助金を受けることができれば、活動範囲が広がったり業務環境をより良くしたりすることが可能になるでしょう。そのためには、まず補助金の種類を知ることから始め、申請すべき補助金を決定し、必要書類を不備なく揃えて提出することが大事です。当事務所でも各種書類の作成や助言を行いますので、まずはお気軽にお問い合わせください。