国による事業者サポートの取り組みとして、補助金制度があります。ただし、申請すれば必ず資金の給付を受けられるわけではなく、審査に通り採択されなければなりません。採択とは合格を意味する言葉ですが、ここでは補助金の合格率の傾向とポイントについて説明していきます。
変動する補助金申請の合格率
補助金は申請イコール合格ではなく、必ず審査を受ける必要があります。無事に審査に通れば合格を意味する「採択」扱いとなり、補助金を受ける権利を得ることができるのです。経済産業省や自治体が管轄する補助金を受けることができれば、国や自治体による事業サポートによって事業を安定させたり拡大させたりすることも可能になります。
合格率の傾向
補助金といってもたくさんの種類があり、申請数も合格率もそれぞれ異なります。どの補助金に応募したか、どの時点で応募したかなど、諸条件によって合格の可能性は変わってくるのです。たとえば、合格率が50%未満という狭き門の補助金がある一方で、申請の多くが合格する補助金もあるほどです。
昨今はコロナ禍の影響を受けて、さまざまな補助金が政策として実施されましたが、手厚い補助金により救われた事業者も多いことでしょう。コロナ禍は、補助金の存在を世に知らしめるうえで、ひとつの役割を果たしたといっても過言ではありません。国は中小企業に対する支援を徹底的に強化してきたのです。
例えば、「コロナ特別対応型」と名の付く補助金については、初回募集の合格率が80%を超えるほど門戸を広げていたので、多くの事業者の支えになったことが想定されます。ただし、コロナ特別対応型はコロナ禍という社会的不安定要素に負けない企業体力をつけるための特別な対策であり、一般的に補助金の合格率はそこまで高くないと捉えた方がいいかもしれません。
補助金の合格率が上がるタイミング
補助金は経済産業省や自治体が管轄するもので、その原資は税金にあります。予算も決まっていることから、補助金申請を行うときは年度初めの早いうちに行うべきだ、ともいわれています。国や自治体の側にまだ予算が十分あるうちに申請した方が、審査に通る確率が高くなると分析されるからです。
小規模事業者持続化補助金の場合
一例として小規模事業者持続化補助金の申請についてみてみましょう。なかでも「コロナ特別対応型」の補助金は、第1回目の募集では採択率が80%を超えたものの、その後はどんどん合格の割合が下がっていくのです。
【合格率】
第1回目:約80%
第2回目:約80%
第3回目:約34%
第4回目:約30%
このように、募集回を経るごとに合格率がどんどん下がっていくことがわかります。一般的に、募集開始からしばらくの間は申請が殺到する状態になるといわれていますが、コロナ特別対応型の補助金の場合は特に、申請に対する合格率の高さが顕著でした。当初合格率が非常に高かったのは、速やかに社会経済状況を改善させようとする国や自治体の姿勢が影響していたと考えられます。何よりも、限られた予算の中でできるだけ多くの事業者に資金を給付する目的を踏まえれば、早く申請した事業者に対し手際よく審査が進められていったともいえるでしょう。
まとめ
どの補助金にも予算が割り当てられていますから、公募状況については常にアンテナを張っておくべきでしょう。新しい補助金が公開されたときに時間をおかずスムーズに申請するためにも、基本的にどのような書類が必要とされるのか傾向を把握し、帳簿類はいつでも提出できるよう準備しておくといいでしょう。当事務所では、会社設立関連業務のご依頼を数多く承っていますが、補助金申請に関するご相談やお問い合わせにも対応可能ですので、ぜひお気軽にご連絡いただけることをお待ちしております。