これから会社の設立を考えている場合、融資だけではなく補助金を利用して力強く事業をスタートさせていこうとする人もいるでしょう。助成金とは異なり書類による審査が結果を左右する傾向が見られる補助金について、審査の流れやその内容を説明していきます。
補助金の合否は書類審査にかかっている
結論からいえば、補助金も助成金も国または地方自治体による支援制度で、両者の中身に決定的な違いはありません。補助金は経済産業省や自治体が管轄し、助成金は厚生労働省が管轄することを除けば、原則として返還不要な金銭となります。ただし、財源は国民・市民の税金であり、返還不要という条件がついていることからも、申請すれば誰でもお金を受け取ることができるものではなく、厳正なる審査のうえで給付を決める必要が出てくるのだといえます。
なお、審査は事前と事後の2回行われ、最終的に補助金が給付されるのは事後払いになるので、申請時にも持ち出しでまかなった経費についても、それぞれ必要書類を提出してようやくお金を受け取ることができるようになります。さらに、必ずしも経費のすべてを補助金でカバーできるわけではなく、対象となる経費について一定割合が補完される仕組みなので、この点についてもあらかじめ理解しておく必要があるでしょう。
補助金の審査は書類の充実度に左右される
助成金とよばれる制度がありますが、そちらは補助金と異なり要件を満たせば金銭を受け取ることができる可能性が高いといえます。比べて補助金の場合は、ひとつの補助金について採択できる件数や予算枠が決まっていることが多いため、どうしても狭き門になりがちです。
仮に採択可能件数が10社分しかないところに100社から申請があった場合、補助金を受け取ることができるのは10社に留まり、残る90社は選考から漏れてしまうことになります。
採択される側になるために重要なのは、やはり提出書類にあるといえるでしょう。多くの申請会社のなかから自分の会社を選んでもらうためには、唯一といえる材料である書類でいかに多くの情報を伝えることができるかにかかっているからです。このため、専門家の力を借りながら書類の準備を丁寧に進め、中身の濃い書類を作り上げていくことも、戦略のひとつとして重要になってくるのではないでしょうか。
補助金の申請から受給までの流れ
補助金の申請から受給までには、基本的に次のような流れを辿ることになります。
- 申請
- 審査
- 交付決定
- 事業実施
- 事業完了
- 完了報告
- 入金
年に数回程度公募される補助金について、まずは申請を受け付け、各企業から提出された書類をしっかり確認していきます。いわゆる書類審査が行われ、ここで言わば申請者をふるいにかけていくのです。最終的に合否の結論を出したら、採択された企業に対して通知が送付され、補助金を受け取るための手続きについて案内します。不正が行われないよう、会計検査院によるチェックも実施されるといわれているため、書類がいかに重要な役割を果たすかがわかるでしょう。
まとめ
ここまで説明してきたとおり、補助金は設立間もない会社も含めて大きな支えとなる制度ではありますが、比較的門戸が狭いことに加え書類による厳しい審査を経なければならないため、実際にお金を手にするまでの道のりは決して平たんではないといえるでしょう。それでも多くの申請者がいるということは、それだけ補助金によるサポートが会社経営において心強いものだからだといえます。
不備なく中身のある書類を準備するためには、いかに早く補助金の情報を仕入れいかに時間的余裕をもって申請に備えることができるかがカギとなってくるといえます。当事務所でも、会社設立に関するご依頼について、その業務の一環として書類作成代行あるいはアドバイスを行いますので、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。