日本政策金融公庫の融資を受けるうえで避けて通れないのが面談です。ここでは、面談でどういうことを聞かれ、どう答えるのが望ましいのかについて説明していきます。
面談はどのように行われるか
日本政策金融公庫に融資の申し込みを行うと、次のような流れで手続きがすすみます。
- 初回相談
- 必要書類提出
- 面談
- 融資決定
- 融資実行
- 据え置き期間ののち返済開始
必要書類は、手引きを参考にしながら用意すればいいのですが、面談は人対人のやり取りになることから、どのようなことを聞かれるか、どう答えれば良い印象を与えるのか、不安が尽きません。日本政策金融公庫として最大の関心事項は「貸し付けた金銭をきちんと返済できるか」というところにあるので、その点において安心感と確信を与えられることを念頭に置くといいでしょう。自分と事業に関する信用力を訴えかけるのです。
融資に関する申請書類を提出してから数日経過後、日本政策金融公庫から面談日時の設定について連絡が来るケースが最も多いといえます。日本政策金融公庫に出向いて面談を行うこともあれば、先方が自分の事務所まで来て面談にいたることもあります。特に何事もなければ、面談時間はおよそ30分から40分程度で終了しますが、書類に不備がある場合や不明な点がある場合などは、それよりも時間がかかることになるので、面談の日は時間に余裕を持たせておくことをお勧めします。
日本政策金融公庫からの質問内容と対策
面談で日本政策金融公庫から受ける質問は、提出した書類をもとにした内容であることがほとんどです。
自己資金の額に関する確認
自己資金が全くなくても申し込みは可能ですが、その分、借り入れる金額も大きくなります。逆に、自己資金を持っていればその分借入額も少なくなり、日本政策金融公庫側の貸し倒れリスクが小さくなることがわかります。したがって、自己資金の額が大きいほど公庫に与える心証は良くなると考えられるのです。また、ある程度の自己資金を持っている事業者の場合、計画立ててお金の準備をしてきたことが想定されるため、事業についても事業計画書に基づく堅実な運営が期待できると判断されやすいでしょう。
では、自己資金の割合がどの程度であれば説得力が生まれるのでしょうか。これまでの事例から考えると、希望する融資額の50%相当の自己資金を持っていればほぼ問題がないといえそうです。ただし、融資を希望する小規模事業者などは、自己資金の用意だけでも大変な思いをすることも考えられます。そのような場合は、せめて30%相当の自己資金を用意できるまでタイミングを待ち、その後、申請に臨むといいかもしれません。あまりにも自己資金の額が小さいと審査落ちの恐れも出てくるため、何とか30%程度は確保しておくようにしましょう。
(※日本政策金融公庫HP参照)
説得力のある事業計画書の作成がカギ
融資の可決を目指すためには、いかに説得力のある事業計画書を作成するかも非常に大切なポイントとなってきます。日本政策金融公庫は事業計画書に基づいた質問をしてくることがほとんどですが、なかでも以下のようなことについて尋ねてくる可能性が高いでしょう。
- 事業を立ち上げた経緯
- 事業者自身の経歴
- 取扱商品またはサービスの内容
- 取引先
- 今後の売上や経費、利益に関する現実的な見通し
これらの質問を通して、日本政策金融公庫は事業者の人間性や信用力などを計っていきます。事業計画書の内容が大まかだった場合、公庫側としても事業の実態や将来性を把握できず、不安を持たせてしまうことになりかねません。このため、事業計画書作成段階からしっかりと内容を作りこんでおくことがとても大切なのです。
実際の質問は、公庫側から投げかけられてみなければ内容はわからないものです。どのような質問が来てもいいように、自分の中で事業についてよく整理をしておきましょう。また、相手の立場に立つことも非常に大切です。公庫側がなぜその質問をしているのかを考えれば、その意図するところを汲み取った適切な回答ができるはずです。
まとめ
ここでは、日本政策金融公庫からの質問と回答のポイントについて説明してきましたが、なかでも重要なのが事業計画書だといえそうです。事業計画書を丁寧に作り込んであるほど、事業者の人となりも見えますし、事業内容やその将来性を見通すこともできるからです。現状を把握しやすく将来性も見通せる事業計画書は、事業者の信用に結び付く要素となりますから、筋道立てて根拠をもとにした事業計画書を作成することが肝心です。
こういった入念な準備を経て面談に臨むことが望ましいのですが、もし自分だけでは準備に自信がないといった場合は、札幌市内でトップクラスの依頼実績を持つ当事務所までお気軽にご相談ください。