代表的な補助金としてよく知られているもののなかに、ものづくり補助金があります。非常に人気が高く多くの事業者に利用されていることから、ここではものづくり補助金の概要について説明していきます。
代表的な4つのものづくり補助金枠
ものづくり補助金にも様々な種類が存在しますが、一例として、一般型と呼ばれる補助金の利用条件について整理していきます。
一般型・通常枠
通常枠の補助金額は従業員数により変わります。
- 従業員数が5人以下:750万円まで
- 従業員数が6人から20人まで:1,000万円まで
- 従業員数が21人以上:1,250万円まで
- 設備投資の条件:対象となる設備投資が税抜50万円以上であること
- 対象経費:システム構築費用・専門家に関する経費・原材料費・外注費・機械装置の導入費など
回復型賃上げ・雇用拡大枠
回復型賃上げ・雇用拡大枠は、事業の状況が思わしくなく、例えば前年度の課税所得が極めて低いか0円であるような場合を対象に、その事業者の賃上げや雇用拡大をフォローし生産性を高めることを目的とした補助金です。ただし、申請時の目標値を満たすことができなかった場合は補助金を返還しなければいけないので注意しましょう。
- 従業員数が5人以下:750万円まで
- 従業員数が6人から20人まで:1,000万円まで
- 従業員数が21人以上:1,250万円まで
- 設備投資の条件:対象となる設備投資が税抜50万円以上であること
- 対象経費:システム構築費用・専門家に関する経費・原材料費・外注費・機械装置の導入費など
デジタル枠
デジタル枠は、自社の業態を改革しデジタルトランスフォーメーション(DX)化を進めるうえで必要な、製品・サービス開発やデジタル技術の革新を目指す事業者を対象としています。
- 従業員数が5人以下:750万円まで
- 従業員数が6人から20人まで:1,000万円まで
- 従業員数が21人以上:1,250万円まで
- 設備投資の条件:対象となる設備投資が税抜50万円以上であること
- 対象経費:システム構築費用・専門家に関する経費・原材料費・外注費・機械装置の導入費など
グリーン枠
グリーン枠は、温室効果ガスの排出量削減を目的とした製品・サービスの開発を行う事業者を対象としています。
- 従業員数が5人以下:1,000万円まで
- 従業員数が6人から20人まで:1,500万円まで
- 従業員数が21人以上:2,000万円まで
- 設備投資の条件:対象となる設備投資が税抜50万円以上であること
- 対象経費:システム構築費用・専門家に関する経費・原材料費・外注費・機械装置の導入費など
ものづくり補助金の申請要件と提出書類
ものづくり補助金の申請要件
- 次の要件をすべて満たす前提で3年から5年の事業計画があること
- 給与支給総額:年平均5%以上増とすること
- 事業所における最低賃金を当該地域における最低賃金+30円以上とすること
- 事業所の付加価値額が年平均0%以上増とすること
- 申請後の事業実施中に発注や支払い、納入などの業務を完了すること
- 申請時点において従業員数に対し賃上げ表明を行うこと
ものづくり補助金申請のための提出書類
ものづくり補助金の申請を行うための必要書類について確認しておきましょう。
【必要書類】
■事業計画書(10ページ以内に収めること)
- 対象事業について具体的に記載
- 予想される効果を含む将来的な見通し
- 対象事業の付加価値額などに関する根拠の提示
■賃上げ計画の表明書(所定の様式)
■決算書類
■海外事業を展開する場合はその準備に関する書類
■その他提出が望まれる書類
- 経営革新計画承認書
- 開業届 または 履歴事項全部証明書
- 事業継続力強化計画認定書あるいは連携事業継続力強化計画認定書
- 従業員一覧が記載された労働者名簿(役員を除く・小規模事業者を除く)
- 特定適用事業所該当通知書
まとめ
補助金の申請において最も難しいとされているのは事業計画書です。事業計画書がきちんと作りこまれているかどうかによって審査結果が左右されるとさえいわれます。このため、たとえば以下の事柄をもれなく記載し、書類に説得力を持たせるようにしましょう。
- 補助金の趣旨から乖離(かいり)していないか
- 自社の商品・サービス内容に関する詳細
- 対象事業の特徴
- 事業計画の再現性や具体性
当事務所は、札幌市内でトップクラスの会社設立サポート業務実績を持っています。このため、上に挙げたようなポイントをもれなく盛り込んだ事業計画書の作成に関するアドバイスも可能です。より審査結果を有利なものに近づけるためにも、ぜひ一度当事務所にご相談ください。