ものづくり補助金とは、主に小規模事業者や中小企業に対し、その商品・サービス開発や改善を目的とする社内システムの再構築を目的として、これを実現するために必要な設備投資などに対し経費の支援を行うものです。ここでは、対象となる経費や対象者について説明していきます。
ものづくり補助金の対象経費とは
ものづくり補助金の対象となる経費は、補助金の目的と合致する事業に関するものでなければいけません。通常の事業と明確に区分されていることを確定させるためには、当該事業が完了した後で、実際に支払われた経費の内容を確認する必要があります。たとえば「一般型(通常枠)」では、次に挙げるような経費が補助の対象となるので確認しておきましょう。
■一般型(通常枠)における対象経費例
機械装置・システム構築費
ものづくり補助金の対象事業に関連する機器や工具、情報システムなどの導入などにかかわる諸費用
技術導入費
ものづくり補助金の対象事業を遂行するために知的財産権などの導入が求められる場合はその費用
専門家経費
ものづくり補助金の対象事業遂行に際し専門家に依頼した場合はその費用
運搬費
ものづくり補助金の対象事業に関する郵送料や運搬料などの費用
クラウドサービス利用費
ものづくり補助金の対象事業に関して利用したクラウドサービスの費用
原材料費
ものづくり補助金の対象事業における原材料などの購入にかかわる費用
外注費
ものづくり補助金の対象事業における各種外注費用(デザインや検査など)
知的財産権等関連経費
ものづくり補助金の対象事業において必要となる知的財産権など(特許権などを含む)を取得するために必要となった弁護士への依頼費用や海外特許権の申請に関してその翻訳費用など
■一般型(低感染リスク型ビジネス枠特別枠)における対象経費例
一般型(通常枠)の条件に以下が加わります。
広告宣伝・販売促進費
ものづくり補助金の対象事業の広告宣伝、販売促進に関する諸費用(宣伝材料の作成やマーケティングの展開などにまつわる費用)
■グローバル展開型における対象経費例
一般型(通常枠)の条件に以下が加わります。
海外旅費
ものづくり補助金の対象事業の海外展開に関し必要不可欠と考えられる渡航費用および宿泊費用など
ものづくり補助金の対象事業者としての条件
ものづくり補助金の対象事業者は基本的に小規模事業者や中小企業であり、その資本金や従業員数などから該当するか否かが判断されます。
小規模事業者または個人事業主
常勤従業員数について、製造業その他の業種・宿泊業・娯楽業は20人以下であること、卸売業・小売業・サービス業は5人以下であること。
中小企業
業種や資本金、常勤従業員が以下の基準を満たしていること。
製造業・建設業・運輸業
- 資本金:3億円
- 従業員:300人
卸売業
- 資本金:1億円
- 従業員:100人
サービス業(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
- 資本金:5,000万円
- 従業員:100人
小売業
- 資本金:5,000万円
- 従業員:50人
ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤ、チューブ製造業、工業用ベルト製造業を除く)
- 資本金:3億円
- 従業員:900人
ソフトウエア業または情報処理サービス業
- 資本金:3億円
- 従業員:300人
旅館業
- 資本金:5,000万円
- 従業員:200人
その他の業種(上記以外)
- 資本金:3億円
- 従業員:300人
まとめ
補助金の対象となる経費とは、事業者がその経営努力を行ううえで欠かせない設備投資に関する費用を多く指しています。しかし、どこからどこまでを必要経費として考えればいいか、申請が初めての事業者にとっては迷うところもあるでしょう。疑問点や不安点を感じたままでは、十分な内容を盛り込んだ事業計画書の作成も困難になりやすいといえます。このようなときこそ、専門家の手を借り助言を得て、正しく準備を進めていくことがとても大切なのです。当事務所でも、会社設立に関する業務の一環として、補助金申請のお手伝いをしておりますので、お困りの場合はぜひ一度お問合せいただけますと幸いです。