IT導入補助金は給付を受けるだけで終わるものではありません。補助金が出るまでの間にどのような成果が出たか、補助金給付後も成果を維持できているか、随時報告が必要になるのです。ここでは、IT導入補助金の採択率に加え、実績報告をどのように行うか説明していきます。
IT導入補助金は採択率が公表されていない
各種ある補助金のほとんどは、「申請に対してどの程度の件数が採択されたか」を示す採択率が公表されるものです。補助金のなかでも人気のある、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金も採択率が公表されているのに対し、IT導入補助金だけは採択率が非公開となっているのです。したがって、多くの専門家は過去の傾向や申請数などを頼りに推測するしかないのが事実ですが、およそ50%の確率で採択されているのではないか、という見方が主流になっています。
同時に、ひとつの傾向として、新年度に公開された補助金は、年度前半に申請した方が審査に通りやすいといわれています。年度後半になるほど予算がだんだん少なくなってくるため、採択率への影響が懸念されるのです。実際、年度後半の申請では不採択の確率が高くなるため、補助金の利用を検討している場合は早めに準備を開始し、できるだけ年度前半のうちに申請を済ませるようにするといいでしょう。
補助金活用に関する報告書の提出が求められる
補助金を利用する場合、対象経費を使って遂行した事業がどのように改善されていったか、報告書を提出する必要があります。これを実績報告といいます。
- 補助金の給付決定
- 対象事業の開始
- 事業完了による実績報告の提出
申請時に提出した事業計画書とは異なる形で事業遂行していたり期限内に実績報告を行わなかったりした場合は、補助金を受けることができないので注意しましょう。実績報告は以下のような内容を含みます。
- 商品・サービスの契約内容
- 実際に納品された商品・サービスの内容
- 請求書の内容
- 支払いの内訳など
- 補助金受取のための口座情報
これらの報告事項は根拠に基づいていなければなりませんので、証拠となるものを揃えて提出することが大切です。見積書や納品書、請求書、商品・サービスの写真など、根拠に基づいた報告であることを示しましょう。
実績報告が行われ、報告内容について事務局がよく精査し問題なしと判断した場合、商品・サービスを提供した補助事業者に対して補助金給付確定の承認を行うよう要請します。これを受け、補助事業者が申請マイページから承認を行うことにより、晴れて申請事業者に補助金が給付されるのです。
ただし、申請を行った事業者は、補助金を受け取って終わりではありません。補助金の給付が決定した後も4年間にわたり、導入したITツールにより事業生産性が向上しているかどうか定期的に報告していく必要があるのです。これを効果報告といいます。
まとめ
特に実績報告に関しては、報告内容を裏付ける証拠資料が求められます。したがって、事業報告を行うことを見据えて見積もり依頼や発注を行い、都度、確認書類を請求しておくことが大切になってきます。先に述べたとおり、見積書や納品書、請求書、商品・サービスの写真などはとても重要な証拠資料となるので、必ず取っておくようにしましょう。
具体的にどのような証拠資料があればいいか迷うことがあるかもしれませんが、そのような場合は会社設立業務の専門家に相談して助言を受けることも大切です。当事務所は、会社設立業務について札幌ではトップクラスの依頼件数を誇っていますので、ご相談いただければ適切なアドバイスを行うことができるでしょう。事業はスピード感と効率が重要ですから、ひとりで不安や疑問などを抱えることなく、ぜひ早い段階でお問合せいただけますと幸いです。