私立の学校を設置し運営する法人を学校法人といいます。学校の在り方を定める基本規定を寄附行為とよびますが、寄附行為について所轄庁の認可を受けて初めて学校法人を設立することができるのです。ここでは、学校法人の設立の流れについて説明していきます。
学校法人設立に不可欠な寄附行為とは
文部科学省では、学校法人の設立について以下のように定めています。
学校法人は私立学校を設置運営する主体です。学校法人を設立しようとする者は、寄附行為において、その目的、名称、設置する私立学校の種類、名称等所定の事項を定めた上、文部科学省令でさだめる手続(私立学校法施行規則第2条等)に従い所轄庁の認可を受けなければなりません(私立学校法第30条)。
※文部科学省ホームページより抜粋
ここでいう「寄附行為」とは、市立学校の根本を成すルールなどの総称であり、
- 法律に定められた事項(必要的記載事項)
- 任意的な事項
(※文部科学省ホームページより抜粋)
以上を指しています。つまり、寄附行為をもって学校法人の設立が成立することになるのです。
なお、寄附行為の内容を変更する場合は、学校の種類により管轄する所轄庁の認可を受けなければなりません。
【所轄庁】
- 文部科学大臣:私立大学・私立高等専門学校・これらを設置する学校法人
- 都道府県知事:上記以外の私立学校・私立専修学校・私立各種学校・これらを設置する学校法人・準学校法人
学校法人を設立する流れ
学校法人を設立するにあたり、所轄庁への認可申請を同時に進めていきます。タイミングや役所などとのすり合わせが必要になりますので、当事務所にご依頼される場合はよく相談した後、認可申請を行っていきましょう。
学校法人認可から設立まで
- これから設置しようとする学校の種別に応じて所轄庁に事前相談
- 学校建物の建築計画・事業計画を書面化し、学校法人設立認可申請書を所轄庁に提出
- 所轄庁による審議
- 認可証の交付
- 学校法人設立登記のうえ設立完了
北海道における認可申請審査基準
北海道の資料によると、学校法人・準学校法人の寄附行為について、その認可および変更認可には以下のような基準が定められています。
寄附行為
寄附行為は、北海道が公開する「寄附行為作成例」に準じて作成し、私立学校法に定められている事項に加え次の規定が盛り込まれていることが前提となります。
- 幼稚園法人及び準学校法人の理事定数は6人以上
- 幼稚園法人及び準学校法人の業務の決定は理事総数の過半数に依存し、重要事項の審議は評議員会の同意が必須
- 学校法人会計基準に基づく会計処理
- 学校法人の解散により発生した残余財産は、地方公共団体・他の学校法人・準学校法人・教育事業を行う公益法人のいずれかに帰属
立地条件
学校を設置するに相応しい立地条件であることを前提として、他の学校との競合を避けると同時に学校としての役割を果たすことが求められます。
施設及び設備
- 学校などの種別ごとに定められた基準を満たすこと
- 施設及び設備は借用したものでないこと(特別の事情がある場合を除く)
- 原則として校地は、登記上、認可申請者名義であることが求められ、教育上支障が出ないことを念頭に開設までに整備されること
- 校舎・機械・器具などに関する必要な整備には適切な経費を確保すること
- 施設及び設備に関する設置経費は寄附金を財源とするものであり、認可申請時点ですでに十分額の寄附金が確保されているか収納が確実であること など
まとめ
学校法人を設立するためには、所轄庁から認可を受け、法務局で登記手続きを行い、経費計上やその後の健全経営に向けて財務書類を作成する必要があります。認可については行政書士、登記については司法書士、財務書類については税理士が専門とする分野ですので、それぞれの専門家に依頼する必要性が出てくるでしょう。
当事務所では学校法人設立に関するトータルサポートを提供していますので、行政書士が窓口となり、提携する司法書士や税理士と協力して業務を進めることが可能です。窓口の一本化によりご依頼者様のご負担が軽減されることが想定されますので、学校法人設立をご検討中の方は、ぜひ無料相談をご利用いただきお話をお聞かせください。