会社を設立するためには費用が掛かります。資本金だけではなく、会社印などを用意する必要もあるため、本格的に会社設立に向けて動く前に資金準備をしっかり行っておきましょう。ここでは、株式会社の設立にかかる費用の目安について説明していきます。
会社設立にかかる法定費用
会社設立にあたり、公証役場や法務局に対して支払う費用のことを法定費用といいます。法定費用は会社形態によって変わりますのであらかじめ確認しておきましょう。
定款用収入印紙代
紙の定款の場合は、収入印紙代が40,000円かかります。一方、定款をPDFで作成する電子定款の場合は収入印紙代がかかりません。ただし、PDFを作成するために必要なソフトを導入する場合はその費用がかかります。
また、定款作成を行政書士に依頼する場合は報酬支払いのための資金も用意しておきましょう。当事務所でも定款作成業務を承っていますので、費用についてはお問い合わせください。
定款認証費用・謄本手数料
定款は会社経営の土台となる大切なものであり、改ざんの予防や記載内容の真偽を担保する目的からも、公証役場で認証を受ける必要があります。公証人手数料例35条によれば、定款認証費用は以下のとおりとなっています。
(定款の認証)
第三十五条 会社法(平成十七年法律第八十六号)第三十条第一項(他の法令において準用する場合を含む。)並びに一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第十三条及び第百五十五条の規定による定款の認証についての手数料の額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額とする。
一 株式会社又は特定目的会社(資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第三項に規定する特定目的会社をいう。以下この号及び次号において同じ。)であって、その株式会社の定款に記載され、若しくは記録された資本金の額(定款に資本金の額に関する記載又は記録がなく、かつ、会社法第二十七条第四号に規定する設立に際して出資される財産の価額の記載又は記録がある場合にあっては、当該価額)又は資産の流動化に関する法律第十六条第二項第四号の規定によりその特定目的会社の定款に記載され、若しくは記録された特定資本金の額(次号において「資本金の額等」と総称する。)が百万円未満である場合 三万円
二 株式会社又は特定目的会社であって、資本金の額等が百万円以上三百万円未満である場合 四万円
三 前二号に掲げる場合以外の場合 五万円
※e-Govより抜粋
また、法務局への登記申請に向けて謄本を取得しますが、1枚あたり250円の手数料が別途発生します。
登録免許税
会社設立にあたり、法務局に登記申請する必要がありますが、その際、登録免許税を支払わなければなりません。国税庁ホームページによれば、その費用は以下のとおりとなっています。
【株式会社等の設立の登記】
- 株式会社:資本金額の1,000分の7(15万円に満たないときは、申請件数1件につき15万円)
- 合同会社:資本金額の1,000分の7(6万円に満たないときは、申請件数1件につき6万円)
- 合名会社・合資会社は申請件数1件につき6万円
※国税庁「会社の商業登記(主なもの)」参照
資本金ほかその他の費用
法定費用以外にも、会社設立には様々な費用がかかります。
資本金
法定費用以外にかかるものとして最も大切なのが、会社設立に不可欠な資本金です。会社法に基づき現在では資本金1円でも会社設立が可能になりましたが、資本金は当面の運転資金になるものなので、数百万円程度の額は用意しておいた方がいいでしょう。
印鑑証明書(株式会社設立)
株式会社を設立する場合、発起人およびすべての取締役の「個人の印鑑登録証明書」が必要です。なお、会社の実印を作りこれを登録する場合は、合同会社でも代表社員の印鑑登録証明書が必要になります。
会社印
いわゆる「会社印」と呼ばれているものには「実印」「銀行印」「角印」の3種類があります。
【実印】
会社設立などの登記や契約などの場面で使用する重要な印鑑です。
【銀行印】
会社としての預金作成や手形の振り出しなどに用います。
【角印】
社内利用として多く使われているのが角印です。源泉徴収票などに押印されているのをよく見かけるでしょう。
まとめ
いまやインターネットを使えばどのような情報でも収集できる時代です。集めた情報に基づき慎重に準備を重ねれば自分でも会社設立は可能であることでしょう。しかし、会社設立はその人の人生にとって非常に重要な出来事であり、失敗だけは避けたいと思うのが自然なことです。
当事務所にも、会社設立と許認可申請をセットでご依頼される方が多くおられますが、やはり最初は不安な面持ちでご来所されます。そのような心情にも配慮し、無料相談ではできる限り寄り添ってお話をうかがい「どこに不安を感じているのか」「どういう点にフォローが必要か」を当職がわかりやすくお伝えします。メールや電話でも結構ですので、まずは一度お問い合わせください。