会社を設立したいと考えているものの、どのような事業を興せばいいのか、イメージが曖昧で方向性が見出せない場合もあるかもしれません。ここでは、会社を設立するための方向性の決め方について説明していきます。
会社の方向性を具体的に決める
ビジネスを行ううえで決まっていなければいけないこととして、
- 事業を興す理由
- 自らビジネスを行うことにより実現したいもの・こと
- ビジネスを通して描く未来
などを挙げることができます。会社の形態を決める前に、自分自身の中に眠るアイデアやノウハウ、キャリアなどをどのようにビジネス化したいかを決定する必要があるのです。
どうしても自分の中のイメージを具体的に描けない場合、次のような手順で曖昧さに形をつけていくといいでしょう。
何を売りたいのか
ビジネスとして何を売って稼ぎたいのか、まずはここから明確化していく必要があります。
- 飲食:最も売り出したいメニューを考える
- 販売:扱う商品の独自性や目立った特徴について考える
- サービス:どのような付加価値を提供するか考える
誰に対して売りたいのか
商品・サービスを販売する相手(客層)を明確にしていきます。客層はできるだけ絞り込んだ方が良好な反応を得られやすいことにも留意しましょう。たとえば「20代から30代に向けた服を販売する」という絞り込み方ではなく、「30歳OLに向けたビジネスカジュアルアイテムを販売する」といったように細分化していくことが大切です。
どのタイミングで販売するのか
「いつ売るか」という意味にもなりますが、シーズンに左右される商品か、通年で需要が見込まれる商品かによって、売り出すタイミングや品揃えも変わってくるでしょう。
どのような手段で販売するのか
売りたい商品・サービス、客層、タイミングが絞れてきたら、次は販売手段について決定します。オンラインで売るのか実店舗で販売するのかによって、集客やマーケティングの仕方が変わってくるからです。特に集客方法・マーケティングといった点については、自ら方法を調べるか専門業者に依頼することを検討する必要が出てくるかもしれません。
いくらで販売するのか
ここまでさまざまなことを決めていった後に、ようやく価格設定を行います。競合他社の情報を分析したり、ホームページの完成度や集客の見込みなどを考慮したりして、適正価格を導き出します。
会社の概要を決定する
これから会社を設立しようとするとき、先だって会社の概要について決めておかなければなりません。少なくとも以下の事柄についてはしっかりと決定しておきましょう。
- 事業目的
- 商号
- 本店所在地
- 資本金額
- 決算日
- 役員構成
- 発起人(出資者)
- 各発起人の出資額
- 資本金払込期日
- 資本金払込金融機関 など
上記を含めさまざまなルールを「定款」に記載することになりますので、必要事項については慎重に定めていく必要があります。
会社設立の手続き
会社を設立する場合は、公証役場や法務局、労働基準監督署や税務署などで手続きを行います。大まかには以下のような流れで手続きを進めていきます。
- 定款作成
- 公証役場で定款に認証を受ける
- 法務局で会社設立登記を行う
- 税務署に人設立届出書を提出する
- 税務書に法人設立届出書を提出する
- 年金事務所で社会保険と厚生年金保険への加入手続きをする
- 従業員を雇う場合は労働基準監督署で労働保険加入の手続きをする
なお、会社設立手続きの際、公証役場では以下の手数料がかかりますのであらかじめ準備しておきましょう。
株式会社を設立するのに、最低限必要な費用は次のとおりです。
ア 認証手数料3万円ないし5万円
イ 謄本手数料1枚250円。おおむね8枚2000円くらい
ウ 印紙代4万円。ただし電子定款のときはなし
エ 設立登記に必要な登録免許税15万円か出資額の1000分の7のいずれか高い額。
オ このほか、募集設立の際には、払込保管証明書約2万5000円
カ これに加えて、代表者印の作成費用、印鑑登録証明書代がかかります。
※日本公証人連合会ホームページより抜粋
まとめ
事業としてやりたいことを整理できたら、どのような形で会社設立するのかを決めましょう。会社を設立する場合の大まかな手続きの流れについては説明したとおりですが、公証役場ほか関係各所に対する手続きが必要なことから、必要に応じ当事務所の会社設立サポートをご利用ください。まずは無料相談でお話を聞かせていただき、助言やお見積りの提供を行いますので、お気軽にお問い合わせください。