農地所有適格法人となるための4つの要件 | 札幌の会社設立と許認可取得センター |

農地所有適格法人となるための4つの要件

農業法人が農地を所有しようとする場合、法人形態・事業要件・構成員要件などを満たして農地所有適格法人となる必要があります。ここでは、農地所有適格法人の要件について説明していきます

 

農地所有適格法人とは要件を満たす農業法人

農地法第2条では、農地所有適格法人について次のように定義しています。

 

3 この法律で「農地所有適格法人」とは、農事組合法人、株式会社(公開会社(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第五号に規定する公開会社をいう。)でないものに限る。以下同じ。)又は持分会社(同法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。以下同じ。)で、次に掲げる要件の全てを満たしているものをいう。

一 その法人の主たる事業が農業(その行う農業に関連する事業であつて農畜産物を原料又は材料として使用する製造又は加工その他農林水産省令で定めるもの、農業と併せ行う林業及び農事組合法人にあつては農業と併せ行う農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第七十二条の十第一項第一号の事業を含む。以下この項において同じ。)であること。

二 その法人が、株式会社にあつては次に掲げる者に該当する株主の有する議決権の合計が総株主の議決権の過半を、持分会社にあつては次に掲げる者に該当する社員の数が社員の総数の過半を占めているものであること。

※e-Gov「農地法」より抜粋

 

つまり、農地所有適格法人とは何らかの許認可を得てなるものではなく、一定の要件を満たした農業法人自体をそう呼んでいるのです。

 

農地所有適格法人の要件

農地所有適格法人とみなされるためには、法人形態要件・事業要件・議決権要件・役員要件4つを満たしていなければなりません。また、農地取得の権利を持ったあとも要件を維持する必要があり、さらに毎年の事業年度終了後3ヵ月以内には、農業委員会への報告も義務づけられています。

 

基本的要件

農林水産省の資料によれば、農地所有適格法人として基本的要件を満たしていることが求められています。

  • 全ての農地を効率的に活用していること
  • 一定以上の面積北海道では2ha以上を所有していること
  • 周辺の農地利用に影響を与えないこと

 

農地所有適格法人の4要件

1.法人形態要件

  • 株式会社(公開会社ではない)
  • 農事組合法人
  • 合名会社
  • 合資会社
  • 合同会社

 

2.事業要件

農業あるいは関連事業を主たる事業とする(売上高の過半を占めること)。関連事業とは以下のものなどを指す。

  • 農畜産物の製造や加工
  • 農畜産物の貯蔵・運搬・販売
  • 農業生産資材の製造
  • 農作業受託
  • 林業
  • 農家民宿 など

※農林水産省資料参照

 

3.議決権要件

農業関係者については、次に挙げる条件を満たすことが求められ、かつ該当者が総議決権の過半を占めること。

  • 法人による農業に常時従事する個人
  • 農地の権利を提供した個人
  • 農地中間管理機構などを通して法人に農地を貸し付けている個人
  • 基幹的農業を委託する個人
  • 地方公共団体・農地中間管理機構・農業協同組合など

 

また、農業関係者以外について制限は設けられておらず総議決権の2分の1未満であること。

※農林水産省資料参照

 

4.役員要件

  • 役員の過半数が、原則として年間150日以上にわたり法人の行う農業に常時従事していること
  • 役員または重要な使用人の1人以上が、原則として年間60日以上にわたり法人の行う農業に対する農作業に従事していること

※農林水産省資料参照

 

一般法人の農業参入も可

農地を貸借する場合は、要件を満たし必要な許可を得ることで、一般法人が農業に参入することも可能です。一般法人が参入すれば、農業従事者の高齢化などにより手入れされなくなった耕地が再活用されるため、一種の社会貢献として期待されています。

 

まとめ

当事務所では、農地所有適格法人を視野に入れた農業法人の設立支援業務を行っています。設立計画の作成や官公署との調整、定款や必要書類の作成、許認可取得など、幅広くサポートさせていただきます。提携する司法書士や税理士と協力し業務を進めてまいりますので、ご安心のうえ、無料相談をご利用ください。

 

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