国による農業支援は幅広く用意されており、目的に応じたさまざまな補助金やサポートを受けることができます。ここでは、農業法人に対する補助金の種類について説明していきます。
国による補助金
補助金は要件に該当する者に対して交付される金銭のことをいいます。特に農業においては、機械・設備や人材育成など、必要な金額が大きかったり環境を整えるまでに時間を要したりすることが多いため、相当額の補助金が用意されているのです。国が提供する補助金にはいくつもの種類がありますが、そのなかからよく知られているものをピックアップしてみましょう。
事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は、すでに農業を営んでいる親族あるいは第三者から事業を引継ぐケースが対象となります。同補助金には3つの種類が用意されていますが、なかでも事業承継をきっかけとする事業再構築や設備投資などについては、「経営革新事業」を確認してみるといいでしょう。
【経営革新事業】
- 補助率:2/3又は1/2
- 補助上限:600万円以内又は800万円以内
※事業承継やM&A(事業再編・事業統合等。経営資源を引き継いで行う創業を含む。)を契機とした経営革新等(事業再構築、設備投資、販路開拓 等)への挑戦に要する費用を補助します。
※中小企業庁ホームページ参照
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小規模の事業者が近い将来的に以下のような制度変更を行うケースが対象となります。
- 働き方改革
- 賃上げ
- インボイス導入
- 機械装置などの導入
- 新商品開発テスト関連 など
ものづくり補助金の申請対象となるには、次の要件を満たしている必要があります。
会社設立後の申請である
すでに農業法人を設立し事業展開していることが前提です。
資本金・従業員数が少ない
農業は製造業のくくりで捉えられますので、以下の水準以下であることで申請対象となります。
- 資本金:3億円以下
- 従業員数:300人以下
賃上げ表明をしている
従業員に対してすでに賃上げ表明を行っていることが条件です。具体的には、以下3つの基本要件を満たしていなければなりません。
<以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定することが必要>
・事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加。
(被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年
率平均1%以上増加)
・事業計画期間において、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、
毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とする。
・事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加。
※全国中小企業団体中央会「ものづくり補助金総合サイト」より抜粋
所轄庁が北海道の場合
国の支援策につて北海道が所轄庁となるものも多々あります。道ホームページではさまざまな支援策が紹介されていますが、国の補助金の申請先所轄庁となっていることがほとんどです。
【強い農業づくり総合支援交付金】
強い農業づくり総合支援交付金の産地基幹施設等支援タイプにおいて、北海道では「産地競争力の強化」を事業目的としています。
【担い手確保・経営強化支援事業】
国では担い手確保・経営強化支援事業も展開しており、その所轄庁も北海道になります。農林水産省の資料では、支援事業申請の条件について以下のように記載しているので、あらかじめ目を通しておきましょう。
意欲ある農業者の経営発展を促進する農業用機械・施設の導入を支援します。
◆配分上限額
① 個人 1,500万円 法人 3,000万円 【融資の活用が条件】
② 市町村が認める者 100万円 【融資の活用は不要】
※ 農林水産省資料より抜粋
まとめ
国による支援事業以外にも、各自治体独自で支援策を用意している場合もあります。主たる事業所のある自治体に問い合わせるなどして、どのような補助金があるか調べてみるといいでしょう。
申請については、要件の確認や申請書類の準備・提出など煩雑な作業も生じますので、ご不安な場合は当事務所の無料相談を通してお問い合わせいただけますと幸いです。