営利を目的としない団体であるNPOですが、NPO法人にはどのような種類がありどのような活動を行うのでしょうか。ここでは、NPO法人の概要について説明していきます。
NPO法人の仕組みと種類
NPO法人は「特定非営利活動法人」の英語略称です。阪神・淡路大震災をきっかけに審議されるようになり、平成10年に特定非営利活動促進法(NPO法)が施行された後、平成13年には認定特定非営利活動法人制度が創設され、それ以降度々の法改正を経て令和3年に改正NPO法が施行されました。
特定非営利活動に取り組む団体に対して法人格を与えNPO法人とすることで、社会貢献活動をより活発化させることがNPO法の基本的な目的になります。
また、NPO法人として法人格を持っていることで、特定非営利活動に取り組むNPO組織に対する信頼性が高まり、また法人として各種の取引を行うことも可能になりました。
NPO法人の種類
このような背景を持つNPOは、認定の有無や法人格の有無によって4種類に分けることができます。
任意団体としてのNPO
特定の目的のために集まった個人の集合体で法人格を持ちません。NPO団体は目的に沿った活動を行いますが、法人格がない場合はボランティアをメインとした活動に限られます。
NPO法人
法人格を得て活動するNPO団体のことを指しており、法に定められた条件を満たす活動を行います。保健、医療又は福祉の増進活動や社会教育の推進を図る活動など20件にのぼる活動内容のうちいずれかに該当し、同時に「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものであること」も満たしている必要があります。
特例認定NPO法人
内閣府ホームページによると、以下のように解説されています。
設立後5年以内のNPO法人のうち、運営組織及び事業活動が適正であって特定非営利活動の健全な発展の基盤を有し公益の増進に資すると見込まれるものにつき、要件からパブリック・サポート・テスト(PST)を免除し一定の基準に適合した場合は、税制上の優遇措置が認められる「特例認定」を1回に限り受けることができる。
※内閣府ホームページより抜粋
つまり、条件を満たした場合に限り、所轄庁から税制上の優遇措置に関する「特例」を受けることができるものです。
認定NPO法人
内閣府ホームページによれば、以下のように解説されています。
認定特定非営利活動法人制度(認定NPO法人制度)は、NPO法人への寄附を促すことにより、NPO法人の活動を支援するために税制上の優遇措置として設けられた制度です。
※内閣府ホームページより抜粋
認定NPO法人に対する寄付者や寄付を受けた認定NPO法人が税制上優遇される仕組みになっており、これによりNPO活動をより発展させることを目的としています。
NPO法人としての活動内容
NPO法人に認められた活動内容は20種類あり、「保健、医療又は福祉の増進を図る活動」「社会教育の推進を図る活動」「まちづくりの推進を図る活動」「観光の振興を図る活動」など、法律で活動分野が指定されています。
- 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
- 社会教育の推進を図る活動
- まちづくりの推進を図る活動
- 観光の振興を図る活動
- 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
- 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
- 環境の保全を図る活動
- 災害救援活動
- 地域安全活動
- 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
- 国際協力の活動
- 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
- 子どもの健全育成を図る活動
- 情報化社会の発展を図る活動
- 科学技術の振興を図る活動
- 経済活動の活性化を図る活動
- 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
- 消費者の保護を図る活動
- 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
- 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動
※内閣府ホームページより抜粋
また、NPO法人が取り組むのは非営利活動ですが、そのために必要な資金を確保することを目的として、特定非営利活動に分類されない事業を行うことが認められています。
まとめ
NPO法人が目指すところは社会的な利益であり、その活動は国や地域の安定・発展には欠かせないものだといえます。法人格を得ることで社会的に信用されやすくなるため、今後何らかの分野で社会貢献を行っていきたいと考えている場合は、NPO法人の設立について検討するのもいいでしょう。
NPO法人の設立や補助金活用などについては、当事務所でもご相談をお受けしています。ご相談のみで終了するケースも多くありますので、ぜひご安心のうえご一報いただけますと幸いです。