一般社団法人を運営している途中で、名称を変えたり役員が変わったりすることもあるでしょう。ここでは、一般社団法人における各種の変更手続きについて説明していきます。
代表的な変更手続き
長く法人を運営しているほど、定款や役員変更などさまざまな変更事項が発生するものです。ここでは、名称変更や役員変更の各手続きについてまとめます。
名称変更手続き
法人の名称を変更する場合は社員総会で定款変更決議をとる必要があります。また、変更が決定したら登記を行いますので、以下に挙げる書類と登録免許税を揃え、法務局で手続きしましょう。
【必要書類】
- 社員総会議事録
- 登録免許税30,000円
- 委任状(専門家に業務依頼する場合)
※名称変更と同時に法人の実印も変更する場合、その改印の届出も必要です。
理事変更手続き
理事の人数が増えた場合も、社員総会による決議が必要となります。理事会により社員総会の開催が通知され、社員総会が開催されたら、そこで新理事の選任決議を行うのです。社員総会で選任決議をとるためには以下の条件を満たしていなければなりません。
- 議決権を持つすべての社員の過半数が社員総会に出席していること
- 議決権の過半数が新理事追加に賛成すること
選任された理事が承諾したら、期限内に法務局へ登記申請を行います。
【必要書類】
- 社員総会議事録
- 新理事による就任承諾書(理事会が設置されていない場合は理事の実印を押印)
- 新理事の本人確認書類(印鑑証明書)
- 登録免許税10,000円
- 委任状(専門家に業務依頼する場合)
理事の重任も登記が必要
理事の任期は2年ですが、任期満了となった後も同じ人物がそのまま理事を務めることになった場合、重任の登記を行わなければいけません。社員総会では普通決議をとりますので、以下の条件を満たしていることが求められます。
- 議決権を持つすべての社員の過半数が社員総会に出席していること
- 議決権の過半数が理事重任に賛成すること
なお、理事の任期満了とともに代表理事も選び直す必要があります。定款の定めに従い、理事のなかから新しい代表理事を選んで登記申請することも忘れてはいけません。
【必要書類】
- 役員変更登記申請書
- 社員総会議事録
- 理事の就任承諾書
- 代表理事の就任承諾書 など
登記事項が変更されたら定款変更を
定款に記載された事項を変更する場合は、社員総会による特別決議が必要です。社員総会で特別決議をとるためには以下の条件を満たしていなければなりません。
- 議決権を持つすべての社員の過半数が社員総会に出席していること
- 議決権の3分の2が定款変更に賛成すること
また、名称変更と理事変更について取り上げましたが、以下に挙げる絶対的記載事項の該当事項を変更した場合は、それに合わせて定款も変更することになります。定款変更が必要となる絶対的記載事項とは以下の事項を指しています。
【絶対的記載事項】
- 事業目的
- 法人の名称
- 主たる事務所の所在地
- 公告方法
- 理事会や監事などの設置・廃止
- 役員の損害賠償責任免除に関する規定
- 外部役員の責任限定契約
- 解散事由
定款変更を行った場合、対象となる事項全てについて登記申請するわけではありません。上記の絶対的記載事項に該当する事項を変更した場合のみ登記申請が必要となるのです。
まとめ
当事務所では、一般社団法人の設立業務に加え、必要に応じて各種変更手続きのサポートも行っています。ただし、登記手続きは司法書士の専任事項ですので、連携する司法書士と協力しながら業務に当たっております。設立および変更に関する窓口は当事務所で一本化できますので、安心してご相談ください。
一般社団法人に関連するさまざまな困りごとやご不安などがありましたら、当事務所の無料相談をご利用いただくようお勧めしています。ご相談者様のバックグラウンドやご事情はそれぞれ異なっていることから、まずはしっかりとヒアリングしたうえで全体像を把握できるようお手伝いさせていただくためです。
お見積もり書も無料で作成しますので、費用概算の見当をつけることもできるでしょう。