法人格のひとつとして一般社団法人や公益社団法人があり、それぞれ特徴があります。ここでは、一般社団法人と公益社団法人の違いについて説明していきます。
一般社団法人の特徴
一般社団法人が非営利活動法人であることはよく知られていますが、他の法人と異なる点としてその構成内容を挙げることができます。
一般社団法人の構成員
一般社団法人は社員と理事、監事で構成されています。
- 社員総会に参加し議決権を発動できる社員
- 法人の事業運営および業務遂行を担う理事
- 法人の財産調査や各種計算業務を行う監事
株式会社における社員とは異なり、一般社団法人の社員は意思決定機関でもあり、社員総会で法人運営に関する議題を提出したり決議を取ったりします。また、設立時社員は定款作成や各種役員の選任など、責任を負った立場でもあるのです。
一般社団法人の設立費用
一般社団法人を設立するためには、まず定款を作成し、公証役場で認証を受けたのち、法務局に登記申請する必要があります。このときかかる費用は以下の通りです。
- 定款認証手数料:50,000円(一律)
- 法務局への登記申請費用:60,000円(理事会設置の有無を問わず)
一般社団法人及び一般財団法人の定款に認証を受ける場合の手数料は5万円です(手数料令35条)。
※日本公証人連合会ホームページ参照
もし、定款作成やその後の手続きを専門家に依頼する場合は、その費用も発生します。
当事務所にご依頼いただいた場合の費用
当事務所における「一般社団法人設立の単体プラン」の場合は11万円をもらい受けております。ただし、法人設立内容により加算が発生することもありますが、その場合はご依頼前の時点で料金詳細について説明させていただきますのでご安心ください。
なお、法人設立登記申請を当事務所提携先の司法書士が代理申請した場合、別途30,000円から50,000円程度が加算されます。
公益社団法人の特徴
公益社団法人とは、一般社団法人が行政庁により認定を受けたものであり、「公益社団法人および公益財団法人の認定等に関する法律」では以下のように定義されています。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 公益社団法人 第四条の認定を受けた一般社団法人をいう。
二 公益財団法人 第四条の認定を受けた一般財団法人をいう。
三 公益法人 公益社団法人又は公益財団法人をいう。
四 公益目的事業 学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号に掲げる種類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう。
※e-Govより抜粋
特に第2条第4項に基づけば、公益社団法人は社会貢献を目的とした団体であることが求められています。
公益社団法人の事業内容
公益社団法人は一般社団法人と同様、社員・理事・監事で構成される団体ですが、その事業内容について大きく異なっています。一般社団法人の場合、非営利であることを前提に事業内容の事由が認められていますが、公益社団法人は公益目的事業に従事することが要件の1つに挙げられているのです。
「公益社団法人および公益財団法人の認定等に関する法律」の別表では、公益社団法人が従事する公益目的事業として23の指定事業が記載されています。一般社団法人の公益認定を目指している場合は必ず確認するようにしましょう。
公益認定の基準
「公益社団法人および公益財団法人の認定等に関する法律」では、公益社団法人の認定基準として、18項目を挙げています。正しく基準を満たすためにも事前に同法を丁寧に読み込み、基準を満たすかどうか1つずつ照らし合わせていくことが大切です。
まとめ
一般社団法人と公益社団法人の大きな違いは、事業内容の自由度や公益性の高さにあるといえます。将来的に公益認定を受けることを想定している場合は、設立時点から公益社団法人の要件に該当することを考慮した法人作りが大切になってくるでしょう。
当事務所では各種法人設立業務を取り扱っており、一般社団法人にも対応しています。無料相談もご用意しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。