一般財団法人はどのような流れで立ち上げればいいのでしょうか。ここでは、一般財団法人の運営機関と設立の流れについて説明していきます。
一般財団法人の運営機関
一般財団法人は、以下の要件を満たすことによって法人格を得ることができます。
- 商号に「一般財団法人」を入れる
- 定款を作成し公証役場で認証を受ける
- 管轄の法務局に登記申請を行う
- 財産を拠出する者が1名以上いる
- 拠出財産は最低300万円以上である
- 設立者を除き、評議員(3名以上・評議員会も設置)・理事(3名以上・理事会も設置)・監事(1名以上)が必要である
評議員・理事・監事について
一般財団法人を運営していくための機関として、評議員・理事・監事を置く必要があることがわかりましたが、それぞれどのような機能を持っているのでしょうか。
評議員
株式会社における株主に類似したポジションで、評議員は評議員会を開き、理事や監事などを選任・解任したり合併などの重要な決断を行ったりします。決議の対象となる事柄は、いずれも定款または法律に定められていることに関連します。
理事
一般財団法人の執行機関として存在するのが、理事および理事会です。理事会は以下について協議し決定を行います。
- 法人の業務に関する決定
- 理事の職務執行の監督
- 代表理事の選定や解職
監事
理事の職務執行を監査し、監査報告書を作成するのが監事の役割です。法人の事業が適正に行われているか把握する目的から、業務状況や財産状況を調査したり理事に報告を求めたりすることができます。
一般財団法人の設立の流れ
一般財団法人の設立の流れは、一般社団法人やNPO法人と似ています。具体的には以下の流れを辿り設立にいたります。
定款作成
法人設立者が定款を作成します。法人に対して財産を拠出した者が設立者となり、その人数は1名以上です。定款では、法人の構成員を定めます。
- 理事(3名以上)
- 評議員(3名以上)
- 監事(1名以上)
設立者に限り役職を兼務できます。
定款認証
定款を作成したら、公証役場で認証を受けます。
- 定款に全設立者が実印を押印
- 全設立者の印鑑証明書と実印および定款を公証役場に持参
※委任状(代理人が手続きを行う場合)を持参
財産拠出
無事に定款認証を受けたら、全設立者のうち代表者の銀行口座にそれぞれ拠出金を振り込みます。合計で最低300万円以上の金額になることが条件です。
評議員・理事・監事の選任
一般財団法人の役員として、定款ですでに評議員・理事・監事を定めている場合は、記載事項にしたがい当該人物を役員として選任します。定款による定めがない場合は、財産拠出後に選任することになります。代表者は設立時理事のなかから選ぶことになるので覚えておきましょう。役員の選出を終えたら各役員による承諾を示す就任承諾書を作成します。
法人登記申請
法務局に対して一般財団法人の設立登記申請を行います。一般財団法人の主たる事務所を管轄する法務局が対象ですので、間違えないようにしましょう。申請者は代表理事ですが、委任状を持参することにより代理人が手続きを行うことができます。また、登記申請を行った日が法人設立日となります。
各種証明書の取得
法人設立登記の申請を行ってからおよそ1週間で登記完了となります。登記完了により登記事項証明書や法人の印鑑カードおよび印鑑証明書を取得することが可能です。
役所への手続き
登記完了後、各役所に対して設立届を提出します。北海道の場合は、市役所・税務署・道税事務所が対象です。また必要に応じて、労働基準監督署や年金事務所などにも届出を行いましょう。
まとめ
一般財団法人の設立でまず苦労しやすいのが、評議員・理事・監事といった組織の役割への理解だといえます。一般的には馴染みがない役職ですので、設立構想を立てた時点でよく調べておくようにしましょう。
当事務所では、一般財団法人の設立手続きに関するご相談やご依頼を承っています。無料相談もご用意しておりますので、ぜひご利用ください。専門家による診断や説明を受けることで、一般財団法人を設立するためのイメージを明確にすることができるでしょう。