日本政策金融公庫に融資の申し込みを行った後、多くの方が不安になりやすいのが審査の状況です。審査にはどれくらいの時間がかかるのか、どういった点を評価されるのか、情報がないなかでは心もとない感覚を味わうかもしれません。ここでは、審査における評価ポイントと審査の流れについて説明していきます。
日本政策金融公庫の審査が長引く3つの原因
せっかく書類を揃えて不備なく申し込みを完了したとしても、その後の審査が長引きなかなか結果が出ず気を揉んでしまうことがあります。このような場合、次に挙げるような3つの原因が作用していることが想定されるのです。
1.日本政策金融公庫の繁忙期である
事業者の融資ニーズには季節的変化が見られ、年間では年末や新年度を迎える12月や4月は最も忙しくなるといわれています。この時期に融資の申し込みを行った場合、1人の審査担当者が抱える処理件数が多くなることから、どうしても時間がかかってしまうことは仕方のないことかもしれません。また、土日や連休前に申し込んだ場合、審査業務自体が休みとなりますので、その分時間を要することになります。したがって、資金の必要性に迫られる時期よりも若干早めに申し込みを行ったり週の初めに申し込みを行ったりして、審査担当者に余裕を持って処理してもらえる工夫をすることも大切だといえるでしょう。
2.融資実績の乏しい業態である
日本政策金融公庫としても、数多く手がけてきた業態であればその分処理もスムーズに進めやすいと考えられますが、逆に、斬新なアイデアをビジネス化した事業や少数派の事業などは融資実績も乏しく、担当者がビジネスモデルを理解するところから始まるため時間がかかりやすいといえます。こういった事態を防ぐためには、書類を通して審査担当者に理解してもらいやすくする工夫も必要です。事業計画書をより具体的に作成したり補足資料を用意したりするなどして、審査の助けとなるような努力をすることも、融資決定を導く大切な要素になるのです。
3.書類に不備がある
書類自体はきちんと手配しておきながら、いざ申し込みのときに漏れが生じるケースは常に一定程度発生すると考えられます。不備がなければ審査はスムーズに進んだことが想定されますが、不備により追加書類の提出が必要になるなど、審査に費やす時間が本来よりも多くかかってしまうのです。決して焦ることなく、しっかり確認して書類を揃え、申し込みを行うようにしましょう。
日本政策金融公庫の審査の流れ
初めて日本政策金融公庫に申し込みを行うか、過去に融資を受けた経験があるかによっても、審査にかかるスピードは変わってきます。
日本政策金融公庫への融資申し込みが初めての場合
すべての必要書類が不備なく揃えられ、申し込みにいたった場合を想定してみましょう。まずは、審査の流れを大まかに把握しておきます。
- 融資書類提出
- 書類審査
- 面談
- 融資審査
- 現地調査の可能性もあり
- 融資の可否決定
ひとつのケースとしては、書類を提出してからおよそ一週間で書類審査を経て面談日程の調整を行う電話がきます。その後、面談が滞りなく終了すると、そこから4日ほどで融資の可否決定にいたり結果通知の連絡がくることになります。書類提出からかぞえれば、土日を含めおよそ2週間が最速であろうと考えることができるでしょう。ただし、先に述べた繁忙期など、審査スピードを左右する要素も発生しますので、あくまでも目安として捉えておいた方が良さそうです。
すでに日本政策金融公庫から融資を受けたことがある場合
すでに、日本政策金融公庫側では申込者情報を把握していることから、審査にかかる時間は若干短縮される傾向にあるといえます。初めて申し込む場合の最速タイミングが2週間だとするならば、すでに融資実績がある場合の最速は10日程度と考えることもできそうです。
まとめ
審査内容は公開されないものであることから、誰もが不安になりやすい点だといえるでしょう。審査そのものに関しては日本政策金融公庫が預かる形ですが、融資申し込みを行ううえで注意すべきことを確認したり適切な事業計画書を作成したりする際、会社設立サポートの専門家である当事務所がお手伝いできることも出てくるでしょう。ぜひ、お気軽にご相談ください。