測量業を営むに当たっては、個人、法人、元請、下請問わず、測量法の定めるところにより測量業者の登録を受けなければなりません。
測量業の種別
測量業とは、「基本測量」「公共測量」又は「基本測量及び公共測量以外の測量」を請け負う営業をいいます。
基本測量
基本測量はすべての測量の基礎となる測量で、国土地理院の行うものを指します。
公共測量
公共測量とは基本測量以外の測量で次に掲げるものをいいます。
建物に関する測量その他の局地的測量又は小縮尺図の調製その他の高度の精度を必要としない測量で政令で定めるものを除く。
- その実施に要する費用の全部又は一部を国又は公共団体が負担し、又は補助して実施する測量
- 基本測量又は前号の測量の測量成果を使用して次に掲げる事業のために実施する測量で国土交通大臣が指定するもの
- 行政庁の許可、認可その他の処分を受けて行われる事業
- その実施に要する費用の全部又は一部について国又は公共団体の負担又は補助、貸付けその他の助成を受けて行われる事業
※国土交通省ホームページより抜粋
基本測量及び公共測量以外の測量
基本測量又は公共測量の測量成果を使用して実施する基本測量及び公共測量以外の測量(小道路もしくは建物のため等局地的測量又は高度の精度を必要としない測量で政令で定めるものを除く。)
※国土交通省ホームページより抜粋
さまざまな「測量」
測量にはいろいろな方法があり、地形や高低差の調査だけではなく河川の状態を調べるなど幅広く私たちの生活を支えています。
基準点測量
基準点測量は測量における基礎的な作業であり、対象となる位置が地球上のどこに存在しているかを正確に調べます。調査方法として、GNSS測量やトータルステーションの活用が挙げられます。
なお、GNSSとは「Global Navigation Satellite System」の頭文字を取ったもので、衛星測位システムのことを指しています。トータルステーションとは測量機器のことで、目標点に光を当て、反射で戻ってきた光を解析して角度と距離を測るものです。
水準測量
水準測量は、土地の標高や地盤沈下の程度を調べる際などに用いられる方法です。水準点を基準として地上の諸点における高低差を調べます。
地形測量
地形測量は地形図を作成するために行われる方法です。現地の地形や地物を測ってデータ化し、地形図に反映させます。これら地形図はさまざまな用途に活かされており、防災図・設計図・環境整備図などとして利用されています。
路線測量
道路や水路、鉄道や砂防を建設するために行われる調査や設計、維持管理に用いられるのが路線測量という方法です。路線測量にも種類があり、線形決定・中心線測量・横断測量・縦断測量など用途に合った測量方法を採ります。
河川測量
河川測量は、河川や海岸などの形状・水位・深さなどを調査し、その維持管理に役立てるものです。調査は定期的かつ継続して行われ、治水資料の作成や海岸保全などに活かされます。
用地測量
用地測量は土地一筆ごとの境界線を明確にし、用地の位置と面積を正確に算出するものです。土地の売買などには欠かせない調査だといえます。
測量作業の流れ
測量作業は一般的に以下のように行われます。
- 観測準備:現場の観測計画を立てたり測点の杭打ちなどを行ったりします。
- 現場作業:測量機器を用い適切な測量を行います。
- 計算処理:測量作業で得たデータから面積の計算を行ったり誤差を確認したりします。
- 作図:計算処理を経て図面を製作します。
測量の基準
測量法では、基本測量および公共測量について以下のような基準を設けています。
- 位置は、地理学的経緯度及び平均海面からの高さで表示する。ただし、場合により、直角座標及び平均海面からの高さ、極座標及び平均海面からの高さ又は地心直交座標で表示することができる。
- 距離及び面積は、第三項に規定する回転楕だ円体の表面上の値で表示する。
- 測量の原点は、日本経緯度原点及び日本水準原点とする。ただし、離島の測量その他特別の事情がある場合において、国土地理院の長の承認を得たときは、この限りでない。
- 前号の日本経緯度原点及び日本水準原点の地点及び原点数値は、政令で定める。
- 前項第一号の地理学的経緯度は、世界測地系に従つて測定しなければならない。
- 前項の「世界測地系」とは、地球を次に掲げる要件を満たす扁へん平な回転楕円体であると想定して行う地理学的経緯度の測定に関する測量の基準をいう。
- その長半径及び扁へん平率が、地理学的経緯度の測定に関する国際的な決定に基づき政令で定める値であるものであること。
- その中心が、地球の重心と一致するものであること。
- その短軸が、地球の自転軸と一致するものであること。
※測量法より抜粋
要件
測量法第五十五条の六では、登録の要件として、登録しようとする営業所(常時、測量の請負契約を締結する事務所)ごとに測量士を1人以上置くことおよび下記の欠格事由に該当しないこととしています。
【欠格事由】
- 破産者で復権を得ないもの
- 不正の手段などで登録を受けたことなどにより、測量業法で過去に登録を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者(登録を取り消された測量業者が法人である場合においては、当該取消しの日前30日以内に当該測量業者の役員であった者も含む。)
- 無登録営業禁止の規定に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者(刑に処せられた者が法人である場合においては、刑に処せられた日前30日以内に当該法人の役員であった者も含む。)
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者又は成年被後見人でその法定代理人が1~3のいずれかに該当するもの
- 法人でその役員のうちに1から3までのいずれかに該当する者のあるもの
- 営業所ごとに1名以上の測量士を設置していないもの
※測量法第五十五条の六参照
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