地質調査業者登録制度とは、土木建築に関する工事に必要な地質や土質について、その調査等を行う「地質調査業」を営む者が所定の要件を満たすことにより受けられる国土交通大臣の登録制度のことをいいます。なお、登録の有無に関わらず、地質調査業の営業は自由に行うことができます。申請書類や手続きの流れについてみていきましょう。
登録要件
地質調査業の登録を受けるためには、次の要件を満たすことが求められます。
「技術管理者」を置く者であること
地質調査の技術上の管理をつかさどる専任の者(「技術管理者」という)で次の①~③のいずれかに該当するものを置くことが必要です。なお、技術管理者は常勤し、その業務に専任する必要があります。
- 学校教育法による大学(旧大学令による大学を含む。以下同じ。)又は高等専門学校(旧専門学校令による専門学校を含む。以下同じ。)において別表第1項に掲げる学科を修めて卒業した後、地質調査に関し15年以上の実務経験を有する者
- 国土交通大臣が①に掲げる者と同等以上の知識及び技術を有するものと認定した者
- 技術士法による二次試験のうち技術部門を建設部門(選択科目を土質及び基礎とするものに限る。)又は応用理学部門(選択科目を地質とするものに限る。)とするものに合格し、同法による登録を受けている者
登録営業所ごとに「現場管理者」を置く者であること
現場における地質又は土質の調査及び計測を管理する専任の者(「現場管理者」という)で次の①~②のいずれかに該当するものを置くことが必要です。なお、現場管理者は常勤し、その業務に専任する必要があります。
- 学校教育法による高等学校(旧中等学校令における実業学校を含む。)において別表第2項に掲げる学科を修めて卒業した後10年以上又は同法による大学若しくは高等専門学校において別表第3項に掲げる学科を修めて卒業した後8年以上地質又は土質の調査及び計測に関する実務の経験を有する者
- 国土交通大臣が①に掲げる者と同等以上の知識及び技術を有するものと認定した者
財産的基礎又は金銭的信用を有する者であること
法人の場合は、資本金が500万円以上かつ自己資本が1000万円以上であることが必要です。
個人の場合は、自己資本が1000万円以上であることが必要です。
※北海道開発局ホームページより抜粋
申請の流れ
国土交通省が示す必要書類を揃え、北海道開発局に提出します。
事前準備
必要書類を収集します。
申請書の作成、提出
申請様式は国土交通省ホームページからダウンロードできますので、これにより申請書を作成し、添付書類とともに北海道開発局に提出します。
登録証交付
登録交付の通知が来ます。登録が済んだら、現況報告書として次の書類を毎事業年度終了後4か月以内に提出しなければなりません。
① 地質調査業者現況報告書
② 地質調査経歴
③ 直前1年の事業収入金額
④ 使用人数
⑤ 技術管理者・現場管理者
⑥ 技術者一覧表(1)
⑦ 技術者一覧表(2)
⑧ 財務事項一覧表
⑨ 貸借対照表
⑩ 損益計算書
⑪ 完成調査原価報告書
⑫ 過去に認定された経歴を有する者の在籍状況
※⑧、⑨については申請者が作成している会社法に準拠した既存の「貸借対照表」及び「損益計算書」を添付してください。
必要書類
- 登録申請書
- 地質調査経歴書
- 直前3年の各事業年度における事業収入金額を記載した書面
- 使用人数を記載した書面
- 技術管理者及び現場管理者の要件を備えていることを証する書面
- 登録を受けようとする者(法人である場合は当該法人及びその役員、個人である場合はその者及び支配人)及び法定代理人が欠格要件に該当しない者であることを誓約する書面
- 登録を受けようとする者(法人である場合はその役員、個人である場合はその者及び支配人)及び法定代理人の略歴書
- 登録を受けようとする者に所属する技術者の一覧表
- 法人である場合は、発行済株式総数の100分の5以上の株式を有する株主又は出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている者の氏名又は名称、住所及びその有する株式の数又はその者のなした出資の価格を記載した書面
- 法人である場合:直前一年の各事業年度の貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び注記表/個人である場合:前一年の各事業年度の貸借対照表及び損益計算書
- 法人である場合は、登記事項証明書
- 営業の沿革を記載した書面
- 地質調査業者の組織する団体に所属する場合は、当該団体の名称及び当該団体に所属した年月日を記載した書面
- 技術管理者に関する添付書類
- 現場管理者に関する添付書類
※国土交通省ホームページより抜粋
登録後の変更等に係る手続き
登録後に登録内容の変更または廃業の必要性が生じたときは、それぞれ次の手続きが必要になります。
変更等の届出
登録を受けた者は、登録内容について変更があつた場合、30日以内に変更届出書を提出します。なお、変更内容が以下に該当する場合は、指定の書類を国土交通大臣に提出することとなります。
【営業所全体に関わる変更がある場合】
- 商号又は名称の変更
- 営業所の名称および所在地の変更
- 法人の場合は資本金額の変更
- 役員あるいは個人の氏名に変更がある場合(商業登記変更の必要性がある場合)
- 以上の変更に関する登記事項が記された商業登記簿抄本を国土交通大臣に提出
【営業所を新設する場合】
- 技術管理者証明書
- 現場管理者証明書
- 現場管理者技術経歴書
【役員又は支配人に変更がある場合】
- 誓約書
- 法人の役員/本人/支配人/法定代理人の略歴書
【次の人物に関する変更がある場合】
- 地質調査の技術上の管理をつかさどる者
- 現場における地質又は土質の調査及び計測を管理する者
- 技術管理者証明書
- 現場管理者証明書
- 現場管理者技術経歴書
【廃業等に関する届出が必要な場合】
以下いずれかの状況になったとき、30日以内に国土交通大臣に届け出る必要があります。
- 登録を受けた者が死亡したときはその相続人が届け出る
- 合併により法人が消滅したときはその役員だった者が届け出る
- 合併や破産以外の事由から法人が解散したときはその清算人が届け出る
- 地質調査業を廃止したときは登録を受けた者が届け出る
関係法令
手続先および費用
【手続先】
北海道開発局事業振興部建設産業課
札幌市北区北八条西2丁目札幌第一合同庁舎
【費用】
無料
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