日本政策金融公庫は多くの個人事業主、小中企業に対し積極的な融資を行う国の金融機関です。日本の経済を支えるべく、さまざまな融資制度を提供しており、利用する事業主や企業が数多く存在します。ここでは、過去に公庫から融資を受けた事業者が追加で融資の申込みを行うときのポイントについて説明していきます。
追加で融資を受けることができる可能性
過去に融資を受けた人が再び同じ金融機関から借入れを行うことを、追加融資といいます。日本政策金融公庫でも追加融資に対応しており、一時的に資金繰りの問題を抱えたり仕入れなど資金調達が必要になったりした事業者からの申込みを受け付けています。
返済中の追加融資は可能か
気を付けたいのが、前回の借入れ後の返済途中に追加融資の申込みを行う場合で、借入残高が大きいほど追加融資を受けられる可能性は低くなると考えた方がいいかもしれません。追加融資の可否は、担当者の判断や借入残高の多少にも左右されることから、最終的には個別に結果が決まることになるでしょう。前回借入れの返済実績を十分に積み、借入残高がある程度減ってきた頃であれば、両方の要素が加味されて追加融資が決定となることも考えられます。
個々のケースによって変わってくる部分でもあるので、まずは担当者に追加融資を希望する旨を相談し、現状において融資を受けられる可能性があるか時期を待った方がいいかなど、直接話し合ってみることをおすすめします。
追加融資申込みの際の必要書類
初めて融資を受けるときに提出する書類と追加融資の申込みを行うときの書類は、必ずしも同じであるとは限りません。個別に別途書類を求められることもあるため、申込む際は時間的余裕を持ち準備期間を確保できるように計画を立てていきましょう。なお、日本政策金融公庫から求められる追加融資申込みの書類には、以下のようなものが挙げられます。
追加融資申込みで求められる可能性のある書類
通帳
預金通帳の原本
本人確認書類
- 運転免許証
- パスポート など
決算書類
■個人事業主
確定申告書
■法人
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 勘定科目内訳明細書
- 法人事業概況説明書
- キャッシュフロー計算書
設備投資:見積書
各月の売上がわかる帳簿類
売上見込みがわかる試算表
資金繰り表
納税書類
- 納税証明書
- 課税証明書
返済予定表
- 住宅ローン
- 教育ローン など
上記は一般的に求められる書類になるので、実際の申込みに際しては別途書類の提出が必要になることがあります。また、初回融資と追加融資の異なる点として、追加融資の場合は過去から将来にかけての売上実績や売上見込みが重視される傾向にあるといえるでしょう。日本政策金融公庫の担当者から提出指示を受けた書類について、その準備に時間がかかりそうな場合は、その旨を担当者に申告ししっかりとした内容の書面を作成できるようにします。
なぜ追加融資が必要なのかを明確にする
一度、日本政策金融公庫から融資を受けているにもかかわらず、追加で融資が必要になるには理由があるはずです。公庫側としても、なぜ追加融資が必要なのか、納得できる理由であることを求めますので、きちんと説明できるよう準備しておきましょう。
「運転資金の追加融資を受けたい」
「設備資金の追加融資を受けたい」
いずれについても、なぜ運転資金が不足しているのか、設備資金が必要になった理由は何かなど、明確に伝え理解を得ることが大切です。
まとめ
追加融資は、初回融資に加えさらにお金を借入れる行為ですから、事業者側には必ず理由があるはずです。公庫側としても、追加融資の理由が納得できるものか、回収の見込みがあるかどうかという点を重視すると考えられますから、事業者としては入念に準備を行ったうえで申込みを行う必要があるといえます。
実際に追加融資が認められるかどうかは公庫側の判断によりますので、万が一否決となった場合に備えて、自治体などによる補助金の制度についても調べておきましょう。自治体などの制度を利用する場合、追加融資という扱いにはならないため、初回融資として数多くの書類の提出指示を受けることが考えられます。日本政策金融公庫に対して追加融資の準備を進めることはもちろんとして、次点策として自治体などの制度に申込む場合についても想定しておくと安心です。